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高速取引行為者

パート4

金融商品取引法

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高速取引行為者

高速取引行為者

高速取引とは

高速取引とは、プログラムを用いて自動で高速・高頻度な有価証券の売買やデリバティブ取引を行うこと、そうした取引の委託を指します。

高速取引では、取引手順などが組み込まれたプログラムにもとづき、1秒間に数千回もの高頻度な自動売買が行われます。この取引手順は、金融商品の過去の価格の動きを統計的に分析し、割高なものを売り、割安なものを買う、といったものが一般的です。

なお高速取引は、英語表記のHigh Frequency Tradingの略であるHFTと呼ばれることもあります。

高速取引は現在は禁止されている行為ではありませんが、いくつかの規制が金融商品取引法で定められています。

以下では金融商品取引法で定められている規制について解説します。

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登録制度

規制の1つが、高速取引行為者に対する登録制です。高速取引を行う人や団体は内閣総理大臣の登録を受け、「高速取引行為者」として認可されなければなりません。

違反者は、「3年以下の懲役か 300 万円以下の罰金、またはその両方」という重い刑事罰が科せられます。

「高速取引行為者」として認可されるには、登録申請書と添付書類を内閣総理大臣に提出する必要があります。なお、登録拒否要件に該当する場合は、認可を受ける事が出来ません。

また外国法人や外国に住所がある個人が認可を受ける際は、国内における代表者・代理人の設置と調査協力要請に応ずる旨の保証の2点が求められます。

内閣総理大臣に認可されると、高速取引行為者登録簿に登録され、一般に公開されます。

高速取引行為者の業務に関する規定

高速取引行為者には、業務に対しても様々な規制があります。

▼業務管理体制の整備義務・名義貸し

高速取引行為者は、業務を正しく行うために、業務管理体制の整備を求められます。

具体的には社内規則や研修の設定、組織や設備の管理が求められます。 また、他者に業務を代わりに行ってもらう名義貸しも禁じられています。

▼業務の運営に関する規制

プログラムの異常な動作で金融商品市場の機能に支障を及ぼさないようにしなくてはなりません。

また、高速取引行為が公益に反したり、投資者の保護に支障をきたす状況も避けなければなりません。

▼取引記録・事業報告書

高速取引行為の実態を把握するため、高速取引行為者は取引記録を作成・保存することが求められています。また、事業計画報告書を毎年内閣総理大臣に提出する義務があります。

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高速取引行為者の監督

高速取引行為者には、内閣総理大臣の命令により以下のような対処が求められる場合があります。

▼廃業届出

高速取引行為者が合併や破産、解散したときは、30日以内に内閣総理大臣に届出を行う必要があります。

▼業務改善命令

高速取引行為者の業務が公益や投資者保護を害していると見られた場合、内閣総理大臣により業務の方法や運営の改善を行うよう命令が下されます。

▼監督上の処分

高速取引行為者は不正な手段により登録が行われたり、業務の結果支払い不能になりそうな場合に、業務停止命令が下る事があります。

また役員の解任命令が下される場合があります。

▼報告の聴取及び検査

内閣総理大臣が公益や投資者保護のために必要と判断した場合、高速取引行為者は業務や財産に関し、報告や資料の提出を行う必要があります。

また、業務や財産の状況や、帳簿書類などに対して検査が行われる場合もあります。

1 高速取引行為者