投資信託
投資信託の仕組み
このパートでは投資信託について説明します。 投資信託とは、投資のプロが投資家から資金を集め、投資家の代わりに運用するシステムです。 最終的な投資先はこれまで学んだ株式や債権、不動産などですが、投資家自身ではなく投資のプロが運用するのが大きな特徴です。
投資信託の詳しい流れについてもう少し学びましょう。 投資信託には主に4つのプレイヤーがいます。
- 投資家: 投資商品を購入し資金を出す
- 販売会社: 投資家に対し投資商品の仲介を行う
- 信託銀行: 投資家の資金を保管する
- 運用会社: 投資家の資金を様々な金融商品に投資し運用する
投資信託はまず、投資家からお金を集めることから始まります。
具体的には証券会社などの販売会社が投資家のニーズに合わせた投資商品を提案し、投資家が購入するという流れです。
投資商品には債権を中心とした低リスク・低リターンのものから、株式等を含めた高リスク・高リターンのものまで様々なものがあります。
このように多くの投資家から集められた資金は、1つにまとめられ大きな資金になります。これをファンドと呼びます。 ファンドは、信託銀行等で保管や管理が行われることが一般的です。
運用会社は、このファンドを投資家のニーズに合わせ運用します。 運用を担当する人のことをファンドマネージャーと呼びます。 そして、運用で生まれた利益や損失が投資家の元へ帰っていきます。 これが投資信託の大まかな流れです。
メリット
投資信託のメリットは主に5つあります。
- 投資のプロが運用してくれる
- 少額から購入可能
- 透明性が高い
- 株式や債券などに分散投資できる
- 種類が豊富
● 投資のプロが運用してくれる
投資信託の仕組みのセクションでも学んだ通り、投資信託ではファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが自分の資産を代わりに運用してくれます。
ファンドマネージャーは各金融商品や、金融商品に影響を与える政治や経済の動向の知識を活用し、最適な金融商品を選んで投資を行います。
そのため、自分で投資先を選ぶより効率的な投資が行われる場合が多いと言えます。
● 少額から購入可能
少額から購入できることも大きなメリットです。
株や債権を自分で買おうと思うと、最低でも10万円ほどの資金が必要です。
一方、投資信託の場合100~10,000円から始められる商品が多く、気軽に投資が出来るのが特徴です。
● 透明性が高い
情報の透明性が高いことも特徴です。基準価額と呼ばれる、取引の価格の推移はほぼ毎日公表されており、インターネットや新聞などで確認することができます。
値動きがすぐに分かるため、購入した商品の現状をすぐに知ることができます。
株式や債券などに分散投資できる
株式や債券などに分散投資できることもメリットの1つです。
1つの資産のみに投資を行うと、その資産が急に値段が下がってしまった場合、投資金額を回収できないというリスクが発生する恐れがあります。
そのため、株や債権など値動きが違う様々な金融商品に分散して投資を行うことで、こうしたリスクが軽減されます。
投資信託では、少額から投資できるため、様々な金融商品を購入することができ、リスク分散を簡単にすることができます。
種類が豊富
最後に、投資信託は商品の種類が豊富ということもメリットの1つでしょう。
債権や株式、不動産など様々な金融商品への投資ができ、更に国内だけではなく海外の金融商品も買う事が出来ます。
こうした商品については次のパートで詳しく解説します。
デメリット
一方でデメリットもあります。
- 手数料がかかる
- 元本保証がない
- タイムリーに売買できない
手数料がかかる
投資信託では投資のプロが代わりに運用を行うため、信託報酬と呼ばれる運用手数料がかかります。
更に購入時には販売買付手数料という手数料がかかり、投資信託を行っている期間に売却しようとすると信託財産留保額という手数料がさらにかかります。
元本保証がない
資金の運用を行うのは投資のプロですが、運用で損失を出すこともあります。
更に、銀行の預貯金と違い売却額が購入額を下回る可能性があります。
タイムリーに売買できない
投資信託では株式のように常に売買を行うという事が出来ません。 投資信託では基準価額が公表される前に売買取引ができなくなるシステムが採用されており、これもデメリットの1つとなっています。