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リスクを減らすポイント・つみたてのメリット

パート3

投資

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リスクを減らすポイント・つみたてのメリット

リスクを減らすポイント・つみたてのメリット

前回の復習と導入

前回のパートでは投資の「リスク」と「リターン」について学びました。「リスク」はリターンの変動する幅のことを指し、「リターン」は投資で得られる利益や損失のことです。
投資は少しずつ、自分の納得できるリスクとリターンの範囲で運用することが大切ですが、自分ではコントロールできない部分も多くあります。

投資の不安要素の一つとして、将来の値動き(相場の変動)が分からないことが挙げられます。特にマイナスリターン、つまり損をすることはあまり喜ばしくないので避けたいと思う人が多いでしょう。

実は、世の中にはこのような投資のリスクを小さくするための方法が生み出されています。

リスク小さくする3つ.png

リスクを減らすポイント

リスクを減らすポイントは3つあります。それらは、「投資対象の分散」「時間の分散」「長期投資」です。

ポイント①「投資対象の分散」

ポイントの一つ目は、「投資対象の分散」です。これは「分散投資」とも表現され、よく「タマゴを一つのカゴに入れるな」と例えられます。

カゴが一つしかないと一度カゴを落としただけで、全てのタマゴが割れてしまいます。しかし、分散すれば一つのカゴを落としたとしても残りのタマゴは無事です。

たまご.png

一つの資産だけに投資するより、値動きの異なる複数の資産に分けて投資を行うことで価格の変動が小さくなり、リスクの軽減につながります。

分散投資の例

例として、株式と債券に分散投資する考えがあります。景気が良くなると株式は値上がりし、その反対に債券の価格は下落するのが一般的です。値上がりと値下がりという逆の動きをする両方を組み合わせて投資することによりリスクを減らすことができます。

また、投資先の地域や国を分散することで、より安定的に世界経済の成長の利益を得ることが期待できます。

例えば、日本という一つの国に投資すると、日本の経済環境や景気動向に左右されることになりますが、世界中だと150か国ほどの経済環境や景気動向が異なる国や地域に投資をするので、値動きが異なりリスクを軽減することが可能です。このように値動きが異なるものを組み合わせたり、投資先の国や地域を分ける手法は分散投資で安定した投資運用が期待できます。

分散投資.png

ポイント②「時間の分散」

ポイントの二つ目は、「時間の分散」です。売ったり買ったりする時期を分けることで、買いどきを見極めるために値動きを気にするストレスや、何度も情報をチェックする手間を省くことができます。また、もし毎月同じ金額で投資を行うとすると商品の価格が高いときには購入量が少なくなり、価格が低いときには多く購入することができます。つまり、平均的に購入する商品の単価が下がり、少しの値上がりでも売却すれば利益が出やすくなります。

次に示すのは、AさんとBさんが投資商品の一つとして知られる投資信託を10万円で買ったときのシミュレーションです。
Aさんは1月に10万円を全て投資して商品を10個買いました。Bさんは、毎月1万円で買える分だけの投資信託を購入し、これを10カ月積み立てたところ合計で13.5個買うことができました。10月の投資信託の値段が1個8,000円ならば、その時点でAさんの残高は8万円、Bさんの残高は10.8万円です。一括で投資をしたAさんは損をしているのに、投資期間を10カ月に分散させて毎月一定金額を積み立てたBさんは利益が出ているのがわかります。これこそが、時間の分散の強みであり、値動きがあったときの不安が小さくなったり、値下がりしたときも発想の転換ができたりします。

時間の分散.png

▼ ドル・コスト平均法

「時間の分散」によりつみたてのメリットを享受する上記の方法は一般的に、「ドル・コスト平均法」という法則として知られています。

ドル・コスト平均法とは、価格が変動する商品について、常に一定の金額で、定期的に購入していく方法のことです。
価格が安い時には購入量(口数)が増え、価格が高いときには購入量(口数)が減少します。これにより、購入する単価を平均的に「ならす」ことができます。

ドルコスト平均法.png

スクリーンショット 2023-11-02 13.22.06.png

ポイント③長期投資

ポイントの三つ目は、「長期投資」です。
投資を長期間続けると、分散投資や複利(投資や預金等で得た収益を元の手元のお金にプラスして、運用して得られる利益)の効果等と相まって、結果的に当初投資した金額を下回る「元本割れ」の可能性が下がると考えられます。

次のグラフは、1985年以降、毎月同じ金額を国内外の株式と債券に4分の1ずつ投資を行った場合について、投資期間を5年間と20年間としてそれぞれ計算したものです。
比較的短い5年という投資サイクルだと、始めた時期によってリターンが大きくバラついています。

時期によっては10%を超えるリターンもあれば、赤い棒グラフで示した様なマイナス、つまり元本割れのリターンもかなりの割合であることがみえます。
このケースでは、5年後に100万円が81万円~183万円になりました。

長期投資.png

ところが20年という長い投資サイクルで計算すると、開始時点に寄らず、2~8%の間で安定的なリターンを得ることができ、少なくとも1985年以降のデータではマイナスとなる時期はありませんでした。
このケースでは、20年後に100万円が178万円~326万円になりました。

投資商品の保有期間を5年とすると、景気の良し悪しによって結果が影響されやすいです。保有期間を20年とすると、景気にあまり左右されることのなく、複利の効果で資産が増えていくので、最終的に元本割れの可能性が下がると考えられています。

あくまでも過去の実績であり、将来を約束するものではありませんが、データから長期投資の効果がわかります。

つみたてのメリット

日経平均などの市場の動きを示す指標の過去の変動をみると、安い時に買って高くなったら売ればいい、と思うかもしれません。ただ、残念ながら事前にそういった売買のタイミングがピンポイントでわかることはありません。

実際には、一番高いときに買ってしまったり、一番安い時に買わなくて後悔することがあったり、と投資のタイミングをとらえるのは難しいことです。

このようなことを回避する方法が、先ほど学んだ「リスクを減らす3つのポイント」を押さえた投資である「積立投資」です。
積立投資とは、「あらかじめ決まった金額」を「続けて」投資することです。例えば、毎月1,000円ずつ投資するなどです。

つみたてイメージ.png

定期的に積立投資を行うことで安いときに買うタイミングを逃してしまったり、高いときにだけ買ってしまったりすることを防ぐことができます
言い換えると、投資の基本である「安く買って高く売る」の「安く買う」という作業を積立投資によって自動化できるようになります。

加えて、積立投資は、まとまったお金がなくても少額からすぐに始められるというメリットもあります。

つみたてメリット.png


次のパートでは、「株式」について学習します。

1 投資のリスクを減らす
2 積立投資