外務員試験資格制度
外務員試験とは
外務員資格は、金融機関で営業を行う外務員として働く上で必須となる資格です。
証券外務員として働くためには、まずは外務員資格試験に合格して外務員資格を得たうえで、日本証券業協会に外務員として登録される必要があります。
外務員試験の概要
外務員試験には一種と二種の2つがあり、扱える金融商品の範囲に差があります。
二種では株や投資信託などの現物取引のみ行うことができるのに対し、一種では現物取引に加え、信用取引やデリバティブ取引を含むすべての金融商品を扱えます。
現物取引とは、金融機関に預けた資産の範囲内で売買する取引のことです。つまり顧客の元手の範囲内で取引を行います。
一方で信用取引やデリバティブ取引では、顧客の元手以上の金額を動かすことになります。
一種ではよりリスクの高い金融商品を扱えることを覚えておきましょう。
その他の分類
実は証券外務員には一種と二種以外にも合計で6つの種類があります。そのうち現在採用されている試験は4つです。
- 一種外務員資格
- 二種外務員資格
- 特別会員一種外務員資格
- 特別会員二種外務員資格
このうち上の2つを正会員資格といい、誰でも試験を受ける権利があります。それに対して下の2つを特別会員資格といい、所定の金融機関に属する人のみが対象になります。
試験範囲について
外務員として働くには幅広い知識が必要となるため、試験範囲の内容も多岐にわたります。出題科目は大きく3つに分かれます。具体的には、金融商品を売買する際に守らなくてはならない法令・諸規則、金融商品についての知識を取り扱う商品業務、市場や経済の一般的な内容を扱う関連科目の3種類です。各科目についての詳細は以下の通りです。
〔法令・諸規則〕
- 金融商品取引法及び関係法令
- 金融商品の勧誘・販売に関係する法律
- 協会定款・諸規則
- 取引所定款・諸規則
〔商品業務〕
- 株式業務
- 債券業務
- 投資信託及び投資法人に関する業務
- 付随業務
- デリバティブ取引(一種外務員資格試験のみ)
〔関連科目〕
- 証券市場の基礎知識
- 株式会社法概論
- 経済・金融・財政の常識
- 財務諸表と企業分析
- 証券税制
- セールス業務
試験科目の違い
どちらも科目は出題科目は、「法令・諸規則」と「商品業務」と「関連科目」の3科目です。一種の場合、商品業務の中の科目でデリバティブ取引という科目が増えます。デリバティブ取引とは通貨や債権といった通常の金融商品から派生してできた金融派生商品というものを扱う取引です。
詳しくは下の図を参照してください。
なお、試験では上の出題科目に加えコンプライアンスに関する知識が問われます。また、第二種では上の出題科目の基礎的知識が問われるのに対し、第一種では実務的・専門的知識が問われるため、難易度は第一種の方が高いといえるでしょう。
出題形式
試験で問われる内容は、語彙を問う問題と計算を行う問題の2種類があります。
出題形式としては以下の3種類があります。
- 〇×問題(1問=2点)
- 5つの選択肢から1つ選ぶ選択問題(1問=10点)
- 5つの選択肢から2つ選ぶ選択問題(1問=10点)※各5点
その他の試験概要は以下の通りです。
受験資格
証券外務員試験の受験資格について説明します。証券外務員には特に受験資格の制限がありません。そのため、学生など金融機関に所属していない人でも受験することができます。
ただ、一度不合格になるとその後30日間試験を受ける事が出来なくなるので注意しましょう。