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支出を把握する

パート5

お金の管理の仕方

ダッシュボードへ

パート 5

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支出を把握する

支出の管理方法

支出とは使ったお金のことを言います。
前パートで学習したように、家計管理では、収入と支出のバランスをとることが大切です。
そこで今回は、収支のバランスを取るための支出管理方法について学習していきましょう。

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「支出の管理」と言われてすべきこと3ステップ

支出を管理する手順は大きく以下の3つのステップと考えましょう。

支出を把握する
収入と比較する(家計簿をつける)
バランスを取る(調整する)

① 支出を把握する

レシートの管理

みなさんはレシートを取っておきますか?それとももらわないorすぐに捨ててしまうでしょうか。
お店でもらうレシートにはいろいろな情報が載っており、自分が使った金額とその使い道を把握し管理する上で最も簡単な道具です。

可能であれば下記の固定費・変動費の各種別ごとに、それが難しければまずはお店ごとにまとめて保管しておき、1ヶ月に1度金額をまとめて書き出せるようにしておきましょう。

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固定費と変動費

支出には大きく固定費と変動費があります。

固定費の例

  • 通信費
  • 光熱費
  • 保険料
  • 住居費
  • 教育費(変動の場合もあり)

変動費の例

  • 食費
  • 日用品費
  • 医療費
  • 服飾費
  • 美容費
  • 交際費
  • 交通費(固定の場合もあり)

みなさんがより多くお金を使っているのは固定費と変動費のどちらでしょうか?
まずは今一度、自分のこれまでの支出の傾向を捉え直してみましょう。

② 収入と比較する(家計簿をつける)

自分がいくらつかったかを把握するだけでは「管理」しているとはいえません。
その金額と収入を比べることで初めて、その使い方の妥当性に気づくことができます。

家計簿

そこで生かすことができるのが、みなさんご存知の「家計簿」です。
家計簿に対してみなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?

「面倒臭い」「生真面目な人がつけている」「ノートにつけるのは古い」、、、
さまざまなイメージが浮かんでくるかもしれませんが、改めて家計簿をつける目的は以下の2つに絞られます。

▼ 家計簿をつける目的

(1) 現状把握

これは上記「①支出を把握する」でも学んだ通り、まずは現状がどうなっているのか、もっと簡単に言えば「赤字なのか黒字なのか?」を知るために使うことができます。
収支の現状も数ヶ月分たまってくると、段々と自分の家計の傾向が見えてきます。
これが後々の使い過ぎ防止や、ライフプランと目標に対する距離感を掴むことに繋がってくるのです。

(2) 改善点の発見

家計簿では「食費」「交通費」などのように項目別に金額を記入していきます。そのため(1)で仮に赤字だった場合に、「何の支出が多いから赤字なのか」や、それだけでなく「それは来月からは改善できるものか」を一眼で把握することができます。
例えば固定費(例:住居費)が跳ね上がった場合は来月からもその金額になるため別な項目を削る必要がありますが、変動費(例:交際費)が跳ね上がっているのであればお金のかかる予定を減らすなどの工夫で改善の余地があると分かります。

▼ 家計簿の例

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このように収入・支出(固定/変動/特別)に分けてそれぞれの合計が出せるようにしておき、最後に引き算した「残高」を確認することで、毎月の収入と支出のバランスを把握できるとわかります。
またそれだけでなく、翌月以降使うことができる金額を把握して計画を立てることができるのです。

家計簿アプリ

クレジットカードやICカードなどの決済システム、銀行口座などを連携することで、自分の代わりに自動的に家計簿が作成される「家計簿アプリ」というものが存在します。
アプリによってはレシートをカメラで撮影→自動で項目を割り出して家計簿登録する機能があるなど、上記のような家計簿作成の手間を減らすための工夫が増えてきています。

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ただし、アプリを使うのは大変便利ですが、あくまで見失ってはいけないのは「▼ 家計簿をつける目的」で学んだ2つの目的です。
いくら家計簿やアプリが見易くても、詳細な情報が登録されていても、家計の状況が掴めておらず赤字が改善されないのであれば元も子もありません。

目的を見失うことなくできる範囲で家計管理をはじめ、「あなたの家計っていまどうなっているの?」に対する明確な答えがパッと出せるような状態をイメージしながらスモールスタートでやってみましょう。

③ バランスを取る(調整する)

ここまでで収入を踏まえた上での支出を把握することができたら、いよいよ支出管理の目的である「改善のためのアクション」を起こします。

ただしアクションとはいっても、結局のところバランスをとるための手段は「収入を増やす」か「支出を抑える」の2つに絞られます。 ここでは後者の「支出を抑える」上で考えるべきことを優先度順に3つおさらいしていきましょう。

支出を抑える方法①:固定費を見直す

固定費は支出の中でも大きな比率を占めることが多いといえます。
長く支払っているとつい当たり前のものとして捉えてしまいがちですが、例えば1万円/月おさえることが年間だと12万円、10年だと120万円、…というように、ライフプランにも影響を与えるような金額を調整する行為なのだと認識しましょう。

  • 通信費:携帯であれば利用状況にあわせて料金プランやキャリアの変更が考えられます。
  • 光熱費:電力やガスは自由化されているので、他に契約しているサービス(携帯キャリアや住居など)と合わせてお得になる供給会社を選びなおすことができます。
  • 保険料:社会保険を活用して見直すことができます。
  • 教育費:書籍だけでなく、利用頻度の低い月額契約の通信教育などを見直してみましょう。
  • 住居費:通勤/通学時間をどこまで許容するかによっては、住居を変更して住居費を抑えるのも選択肢の一つになります。

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支出を抑える方法②:使途不明金を把握する

「使途不明金」とはその名の通り、何に使われたものか明確に分からない項目です。
家計簿でも最終的な収支残高を割り出すために形式的に算出される項目で、以下の計算で求めることができます。

使途不明金 = 収入の合計 - 貯蓄と投資の合計 - (明細のある)支出の合計

支出を抑える方法③:節約する

固定費と使途不明金の見直しが済んではじめて、普段の生活費を「節約する」ということにシフトしていくのが効率的です。
しかし節約とはいっても強い意志がなければそう簡単にできるものではないということは、みなさんもお気づきだと思います。 上手に節約するためのテクニックを知っておきましょう。

▼ キャッシュレスを用いて管理する

「お財布に入っているお金はついつい気軽に使ってしまい、いつの間にかなくなっている…」
皆さんの中にはこんな経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

こういった場合は、キャッシュレス決済をうまく活用するのが1つの手段です。キャッシュレス決済は電子的な決済がなされるため、自分が何にいくら使ったのかを後から一覧で確認することができます。
これにより無駄遣いにすぐ自分で気づくことができ、「いつの間にかなくなっている」という状況に陥るのを防ぐことができます。

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もちろんキャッシュレスでも使いすぎてしまう可能性は十分にあります。
その場合は事前に現金でチャージする前払い方式のキャッシュレスを活用するようにしましょう。 具体的には、SuicaやWAONのようなICカードや電子マネー、 QRコード決済、プリベイドタイプのデビットカードなどがあげられます。

▼ 現金を用いて管理する

あえてキャッシュレスを使わずに、1ヶ月の予算を1度に引き出してそのお金だけで1ヶ月やりきるという方法もあります。
キャッシュレスによる使い過ぎを避けられるのはもちろんのこと、お金を使用している感覚を取り戻すことができるのが最大のポイントです。

1ヶ月は長いと感じる場合は1週間にするなどでも構いません。とにかく期間を決めて、消費の感覚が妥当かどうかを確かめることがポイントです。

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本パートでは、具体的な支出管理の方法を学んできました。前パートを通して、お金の管理の仕方は理解できたでしょうか。
いよいよ、次からは資産形成について学習していきます。

1 支出の管理について