保険とは
保険の基本的な仕組み
人生には、病気や怪我、事故や火災など様々なリスク(危険)があります。
例えば、バイクに乗っているときに横転して怪我をした、あるいは、自転車で歩行者とぶつかって怪我をさせてしまうことがあるかもしれません。
そうした場合、治療費やバイクの修理代などにお金が必要となりますが、個人では対処するのが困難なことも少なくありません。
このような人生における様々なリスクに対して、備えることができるのが「保険」です。
保険は、リスクに備えて皆で少しずつ一定の保険料を集めて、お金を出し合った人の中で、必要な資金が支払われる、という仕組みのことです。
日本には公的年金制度や国民健康保険制度などの公的保険制度がありますが、これらでカバーされない部分や不足する部分への備えとして民間保険があります。
保険は、国と民間の2本立て
実は保険には、国がサポートしてくれる「社会保険」(「公的保険制度」や「公的保険」ともいう)と、民間の保険会社や共済が運営する「民間保険」があります。
国が形成する社会保険は原則として強制加入ですが、保険会社が運営する民間保険は任意加入です。
民間保険は、社会保険を補うという側面があります。
そのため、すでに加入している社会保険の補償内容を理解したうえで、勤務先で加入できる保険がないかを確認し、最後にそれら2つの保証で不足した部分を自助努力として貯蓄や民間保険でカバーするというのがセオリーです。
保険の特徴と注意点
保険の特徴
人生のリスクに備えるための手段は、保険以外にもいくつかあります。例えば、将来のために銀行などに預けておくお金である、貯蓄です。
しかし、貯蓄は万が一損害(経済的損失)を被った場合、貯蓄額の範囲内でしかリスクに対応できません。
一方で保険では、多くの人が保険料を出し合って相互に補償し合うので、万が一の事態に対して相当する補償額を得られます。
このため、一般的に「貯蓄は三角、保険は四角」と表現されます。
保険の注意点
保険にはさまざまな種類がありますが、保険契約時には以下の3点に注意する必要があります。
①自分に合った保険を選ぶ
②負担することが可能な保険料かを確認する
③負担するリスクを確認する
保険を契約するときは、現在の収入や金融資産、自分や家族のライフスタイルやライフプランに照らし合わせて、本当に必要なのか熟考しなければなりません。カバーされるリスクの範囲や支払う保険料、受け取れる保険金の額といった保険の内容をよく確認し、理解しておくことが重要です。
民間保険の分類
保険業法における保険の分類
保険業法とは、保険会社に対する、免許の内容や、業務の内容の規制、罰則等の監督について定める法律です。保険業法では、保険を下記のような3つの分野に大別しています。
① 第一分野の保険(生命保険固有分野)
「生命保険」といい、人の生存あるいは死亡に関してあらかじめ約定されたお金を支払う保険です。生命保険会社のみが引き受けることができます。
② 第二分野の保険(損害保険固有分野)
「損害保険」といい、一定の偶然な事故によって生じた損害額に応じて金額を支払う保険です。損害保険会社のみが引き受けることができます。
③ 第三分野の保険(生命・損害保険以外)
生命保険と損害保険のいずれにもあてはらまらない保険のことで、生命保険会社と損害保険会社の両方で取り扱うことができます。
怪我や病気によって入院・通院等をした場合に契約時に定めた一定額を支払うものです。
2つの保険商品とその違い
保険商品には「積立保険(貯蓄型保険)」と「掛け捨て保険(掛け捨て型保険)」があります。
積立保険とは、個人年金保険や学資保険などの貯蓄性がある保険のことです。
契約時に定めた保険料の振込期間が終了した際に支払われる一時金「満期保険金」や、途中で解約するときに今まで支払ってきた保険料の一部が「解約返戻金」として返ってきます。
そのため、保険を備えながらお金を貯めることができます。
掛け捨て保険は、満期保険金や解約返戻金がないので貯蓄性はありません。ですが、その分毎月の保険料を割安に抑えながらも大きな保証を用意できます。
次のパートでは、「保険の種類」について学習します。