前回のパートでは、資産形成の種類について学びました。今回は資産運用の概要とメリット、運用方法について学習していきます。
資産運用とは
みなさんは資産運用という言葉をご存じですか。資産運用とは、お金を運用することです。つまり運用するお金がないと成立しないため、運用するためには元手となるまとまったお金をつくる必要があります。
※ただし例外として、まとまったお金がなくても資産形成しながら運用できるもの(iDeCoやNISAなど)もあります。
この元手となるお金は、資産形成により作ることができます。
資産運用のメリット
では、資産運用をすることでどのようなメリットが生まれるのでしょうか。 前のパートでも見た下図をご覧ください。
①平均寿命、②物価上昇、③インフレという3つの心配があったのを覚えていますでしょうか?
資産形成に加えてその資産を運用することにより、より多く/より長くお金を確保しておくことができる、つまりこれからの人生に備えることができるのが第一のメリットです。
さらに、資産運用は自分に対する利益だけではなく世の中にもメリットを与えているのです。その主なメリットは以下の2つです。
1)会社や政府の経済活動に貢献
2)社会課題の解決に貢献(SDGs)
では、それぞれ見ていきましょう。
1) 会社や政府の経済活動に貢献
前のパートで学習したように、証券会社などを通じて債券や株式、国債を購入した結果、会社や政府など資金が渡ります。もしも株式ならば、法的には企業のオーナーになります。
まず、投資先を企業と国に分けたそれぞれの投資の仕組みを説明してから、メリットを説明します。
● 企業(株式や社債)
企業へ投資した場合、その投資したお金は設備投資や商品サービスの提供、それを提供する従業員への給与(企業の経済活動)となります。もちろん株主への配当にも使われます。
株式ならば、株価が上がって資産価値が増えたりします。債券の場合、企業にお金を貸すことになるため、債券を所持している投資家に対して定期的に金利が払われ、最後には元本が返済されます。
● 政府(国債)
政府へ投資をした場合、そのお金は公共サービスに使われます。投資した人は定期的に利子を受けとることができ、最終的には元本が返済されます。
以上の仕組みから、
①経済活動にお金を出すことで経済がより豊かになる
②家庭の資産も増える
というようなメリットがあげられます。
2)社会課題の解決に貢献(SDGs)
SDGsとは持続的な世界を実現するための国際目標のことです。17のゴールと169のターゲットで構成されているものですが、これに投資で貢献できるのです。
このSDGsの目標達成を目指している企業の債券や株式に投資することで、リターンをえるとともに、会社に社会課題の解決に資金を使用してもらえます。
つまり、環境保全や貧困対策、グリーンエネルギーに対してビジネスを行っている企業に投資するということです。
言い換えれば、ボランティアで社会課題解決に取り組む方法だけではなく、お金でSDGs達成を支援するという方法もあると考えることもできます。
資産運用の方法
では、どのように資産を運用する方法があるのでしょうか。たくさんありますが、ここでは、前のパートで概要と仕組みについて学習した以下の4つについて学んでいきましょう。
- 株式
- 債券
- 不動産
- 投資信託
株式
大体が100株単位での購入であるため高額な株価ならば100万円以上の資金が必要になります。また、運用には基本的に専門的な知識が必要です。しかし、短期から長期の運用に向いたものまで多様に用意されています。
そのため、資金や自分の目的によって銘柄を選ぶことが重要になります。
債券
これには、国債・政府関係機関債・地方債・社債があります。決められた期間でお金が返還されるため、いつ債券を売るのかタイミングを伺う必要はありません。また、資金や運用する目的により購入金額・運用期間が選べます。
不動産
不動産投資を始めるには大きなお金が手元に必要だと思われがちですが、ローンを活用することで少ない資金から運用することができます。この投資から得られる利益として、
キャピタルゲイン:不動産の売買によるもの
インカムゲイン:家賃収入
があげられます。しかし、空室や家賃の下落というリスクも考えられます。短期的に利益を得るのではなく、長期的な資産形成に向いているものです。
投資信託
これは、前のパートでも述べたようにいくつかの株式をまとめて専門家が代わりに運用してくれるものです。はじめる時間もコストも大きくなく、スモールスタートで投資を始めることができます。 しかしながら、専門家が運用してくれるからといって経済状況によっては必ず成功するとは限りません。
このように、資産運用の方法と言ってもそれぞれ特徴やメリット・デメリットがあり、上記以外にも様々です。
本パートでは、資産運用の概要とメリット、運用方法について学習しました。 次のパートでは、資産運用したお金の行き先について学習していきます。